初めて僕は息をする

コード・ブルーの思い出

 

昨年の夏、おたく友達から「コード・ブルー3に有岡くんが出るから見て」と言われ、軽い気持ちで見始めたコード・ブルー。放送が終わってから半年以上経ちましたが、いまだにコード・ブルーのことを考える時間があるくらい、私にとってとても大切なドラマになりました。

 

え?どこがそんなに?というと、戸田恵梨香さん演じる緋山先生と、丸山智己さん演じる緒方さんの恋愛がとってもとっても素敵だったからです。

そして、緒方さんが私にとってあまりにヒーローすぎた!!!

 

緒方さんは、緋山先生の勤務する病院の救命救急センターに運ばれてきた元ミシュラン一つ星の料理人。怪我をして手足が不自由になり、もう二度と包丁は握れない。それだけでなく、入院中にレストランのオーナーでもある奥さんにレストランをクビにされ、離婚までされてしまうという、一度に自由も仕事も家族も失った、悲劇のヒーローのようなキャラクターでした。

だけど、緒方さんはお医者さんたちに励まされて前を向いていく…のではなく、持ち前の明るさで、緋山先生や藤川先生を救ったり、励ましたりしていくんですよね。

言葉で前を向かせられる人。苦しいはずの緒方さんが、そちら側に立って物語が展開していくのがたまらなくかっこよかった。

 

 

特に忘れられない台詞が二つあって、

「起きてしまったことは変えられないんだ。今しかない、だったら今、この瞬間をどう生きるかですよ」

「闇の中で暗くなってたら、自分自身がどこにいるかわかんなくなるだろ?だから、闇にいるときこそ気合いで明るくすんだよ。そしたら周りも、見えてくるから」

自分の身に起きてることもちゃんと理解してるけど、前を向きたくて色々思い悩んだひとでないと出てこない言葉だなと思って、胸をうたれたというか。この言葉で周りのお医者さんたちは大切なことに気が付くというのが最高にかっこよかった。

緒方さん自身はこんなに前向きなのに、周りはそうでなくて、奥さんには離婚されるし、元部下にも冷たい言葉をかけられるし、職場もクビになってしまうし…奥さんがいることを言わずに緋山先生に近づいたのも、その時の緒方さんの励みは本当に緋山先生しかいなかったからだと思うし。うわあ最低だとドラマを見ていたときは思ったけど(笑)

 

緒方さんが奥さんと離婚したこともあって、お互いに好きだとは言わないけれど、次第に距離が近づいていく緋山先生と緒方さんがすごくかわいくて……。

(緋山先生がエボラかもしれないと血液検査を受けて、その結果が出る前日に、

「よし、じゃあ明日、晩飯食おう、二人で。昼には検査結果が出るんだろ?緋山先生は明日、なんでもなかったってわかって、それで俺と一緒に飯を食う。どう?デートだ、初デート」

って緒方さんが言ったの本当に惚れるし、全人類惚れるすぎる。自分がエボラかもしれない、と不安な緋山先生をまた救っちゃうんだよなあ…。)

 

けどあんなに前向きだった緒方さんが徐々に現実の厳しさに直面し始めたのも同じくらいの時で。

「また包丁を握る自分の姿が見える」とポジティブにリハビリしていた緒方さんが、もう自分は二度と料理はできないと言い始めたのは、見ていて悲しかった。同時に、手術の後遺症でもう二度とピアノが弾けない!と嘆いていたピアニストの女の子が、「またピアノを弾きたい!」と前向きになり始めたのもあって、その対照的な姿が余計辛かった。

だって緒方さんの握力3だよ?リハビリして3だよ?


いつも通り中庭で待ち合わせていた二人。

これからもそばにいたい、という緋山先生に、障害のある俺と一緒にいないほうがいいと諭す緒方さん。

「いずれ緋山先生は俺と一緒にいる時間が楽しくなくなる。もったいないと思うようになる」と緒方さんが告げると、緋山先生は「なんでそんなこと言うの?私がどう思うかなんてわかんないでしょ?」と怒るの。かわいい。

それに対して、「わからない。でも、もしそうなったら俺が耐えられないんだ」と初めて弱音を吐いて、もう会うのはよそうと言う緒方さん。

 

この場面が、私にとってはかなり衝撃的で。あんなに前向きに緋山先生を励ましてた緒方さんがいきなり弱音を吐いて…突然すぎるし、緋山先生の立場から考えると、一人で勝手に決断して、身勝手すぎない?とも思うし。

 

もし私が緋山先生だったらどうするだろうと、真剣に考えてしまった。

緒方さんは丸山さんフェイス故に男前だし背も高いし性格も最高だけど、バツイチだし、つい最近まで奥さんいたし、しかもそれを隠して近づいてきたし。確かに手足は不自由だし、これから先どんな仕事ができるかもわからない。私一人だけの給料でこれから先暮らしていくのか?それに、デートできる場所も、できることも限られちゃう。結婚したいとなったら両親は納得してくれるのか?そもそも子供はのぞめるのか?なんて本気で考えて、同じ女性として緋山先生はどんな結論を出すんだろうとすごく気になってました。

 

そして最終回、緋山先生は緒方さんに会いに行って、改めて告白するんです。

「私は誰よりも欲張りだから、それと誰よりも努力が好きだから。徹夜続きで肌がボロボロになっても、何日もお風呂に入れなくても全然平気。手がかかる彼氏がいるのもせいぜいそのひとつ。」

「私はあなたがいるからって夢を失ったりしない。あなたがいるから夢に向かってもっと努力したいと思える。その体じゃ私を支えられないって思ってるなら、その分、心で支えて。」

 

勇気のいる決断、勇気のいる告白だっただろうなって思うとこのときの緋山先生があまりに輝いて見えて!

(この場面で、一度緒方さんが、飲み物とお昼ご飯がのったトレーを緋山先生のほうに差し出す手元がアップで映るんだけど、その動きがやっぱり健常者とは違う動きで、このアップは視聴者に緋山先生の決断が勇気あるものだってことを印象づけるためなのかな、なんて思いました。)

ノベライズ本を見ると、緒方さんも、緋山先生のこの強さに、これからもそばにいるという決断ができたみたいで…最後はハッピーエンドで本当によかった。

 

緋山先生がお医者さんで、経済的に考えても緒方さんと一緒にいるのが可能であったからこそできた決断だと思うんだけど、でもこれから先、絶対きついこともあるだろうなと思うから、映画が楽しみで仕方ない。

ポスターを見たら、キャストに丸山さんの名前があってよかった~!

どれくらい出演するのだろう?分からないけど、緋山先生には本当に幸せになってほしいと思うし、緒方さんのことも幸せにしてほしい。

 

緋山先生と緒方さんのことは、いつか記事に書き留めておきかったけど、ずっとタイミングを逃してて、ようやく書けました(笑)

元々テレビをあまり見る方ではないから、こんなに好きな登場人物に出会えるのも珍しい。これもすべて、有岡くんがコード・ブルーに出てくれたからです。名取先生もすきだったよ…緋山先生への淡い恋心はかなわなかったけど(笑)

緒方さんに子ども扱いされながら、ライバル宣言した名取先生、とっても小さくてかわいかったです。